2012年9月26日水曜日

GPSと読図

  登山にもGPSが使われるようになり、読図も楽になりました。尾根や障害物のない場所では、衛星の信号を捉えられ正確な場所を特定できます。しかし、谷間など必要な数の衛星の信号を捉える事ができない場所では、不正確で時には思わぬ誤った判断をしかねません。
 この前、山菜採りで遭難者がでました。遭難者の位置は救助ヘリから確定できたのですが、風が強く杉林の中のため救助が難しく、地上からの捜索も並行して行われました。GPSを使いながら、現場へ向かったのですが、必要な数の衛星信号をつかめず、目的地の方向がどう判断しても誤っているのです。結局は、地形図とコンパスを使って捜索しました。現場まで目と鼻の先の地点まで辿り着いた時に、風が弱まり無事ヘリに救助されました。10分早く捜索を開始していれば、ヘリよりも早く救助できたかもしれません。
 携帯電話やGPSなどの機器の発達で、コンパスを使った地形図の読図がおろそかにされがちですが、電池切れや信号を捉えることができない場合を想定すると、コンパスを使った読図の訓練は大事だと思います。

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