2012年1月14日土曜日

秋田の冬の食べ物

秋田の冬は雪の日が多く、日の光の暖かさがことのほかありがたく感じます。今年は、例年になく12月からの大雪となっています。大雪は2年続くと言われますが、正に去年、今年と2年続きの大雪となっています。このつらく厳しい冬が旬の食べ物が秋田にあります。
 冬の到来を告げるのが、しけと一緒に岸に産卵に来るハタハタです。焼き魚、鍋、飯鮓などとして調理されるほか、魚醤として「しょっつる」が作られます。産卵間近いハタハタのブリコ(卵)は、青味を帯び火を通すとよく粘ります。火を通し過ぎると硬くなりますので、焼き過ぎないことがコツです。このブリコを解きほぐし、一気にすするのが一番うまい食べ方です。ご飯にかけてもいいです。酒の肴には、鮓がお勧めです。酢で締めてありますのでトギ(骨)が柔らかくなり気になりませんので、丸ごといただきます。
 寒に入り寒さがいよいよ厳しくなると、ギバサが出回ります。ギバサとは海藻のアカモクのことです。生のものは褐色ですが、熱湯をかけると鮮やかな緑色に変わります。これを叩いて刻んだものをショウガ醤油でいただきます。これもよく粘り、かき混ぜるとトロトロになります。これを熱いご飯の上かけて食べます。このギバサにも飽きて、ギバサが粘らなくなると暖かい陽射しの日が多くなり、堅雪となり春がもうすぐです。
 夕べもトロトロのギバサをいただきました。ギバサが出回ると、厳しい冬も峠で少しの辛抱で春です。春は「山笑う」と言います。早春の花に、木々の芽吹きに命の躍動感を感じます。

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